
愛犬が腎臓病を患ったとき、飼い主として最も気になるのは「どの食材を与えて良いのか」です。犬の腎臓病において食べてはいけないものをしっかりと理解し、適切な食事管理を行うことが、病気の進行を遅らせる大切なポイントになります。腎臓病の症状は、食事内容によって悪化することもあり、特に注意が必要です。食事制限がある中で、どの野菜や肉を与えるべきか、避けるべきかを知っておくことが、愛犬の健康管理に欠かせません。この記事では、腎臓病の犬に与えてはいけない食材とその理由を獣医師が詳しく解説していきます。
記事のポイント
- 犬の腎臓病に悪影響を与える食材の具体例とその理由が理解できる
- 腎臓病の症状悪化につながる野菜や肉の選び方がわかる
- 犬の腎臓病に適した食材や避けるべき食材の基準がわかる
- 腎臓病の犬に対する正しい食事管理の重要性と対策が理解できる
犬の腎臓病で食べてはいけないものとは?
腎臓病の症状が悪化する食材
腎臓病の犬にとって、摂取する食材は非常に重要です。特に腎臓に負担をかける食材を避けることが必要です。具体的には、高たんぱく質、リン、ナトリウムを多く含む食材が腎臓の症状を悪化させる原因になります。これらの成分が体内で処理される際、腎臓に負担をかけ、老廃物がうまく排出されなくなるためです。
例えば、赤身肉や鶏のささみなどは高たんぱく質であり、健康な犬にとっては良質な栄養源ですが、腎臓病の犬には不適切です。また、チーズや牛乳などの乳製品もリンを多く含んでおり、摂取することでリンの血中濃度が上がり、腎臓への負担が増します。さらに、塩分の高い加工食品もナトリウムが多く含まれているため、腎臓病を悪化させるリスクがあります。
したがって、腎臓病の犬には、これらの成分をできるだけ避けた食事を与えることが重要です。腎臓に優しい療法食を選び、愛犬が無理なく健康を維持できるようにサポートしましょう。

犬の腎臓病で注意すべき野菜
犬の腎臓病において、野菜の選び方にも注意が必要です。特にカリウムが多く含まれる野菜は、腎臓の機能が低下している犬には危険です。腎臓の働きが弱まると、カリウムが体内に蓄積しやすくなり、結果として心臓に負担をかける高カリウム血症を引き起こすリスクが高まります。
代表的な例として、じゃがいもやさつまいも、かぼちゃなどが挙げられます。これらは健康な犬にとって栄養価が高く、エネルギー源として優れた食品ですが、腎臓病の犬にはカリウムの過剰摂取となるため、与えすぎは避けるべきです。また、バナナやブロッコリー、キャベツなどの野菜や果物もカリウムを多く含んでいるため、注意が必要です。
野菜を選ぶ際は、カリウムが少ないものや、カリウムを減らすために茹でて水にさらすなどの工夫を取り入れることが推奨されます。例えば、茹でた後に水に長時間浸すことで、カリウムの量を減らすことができます。このように、野菜も適切に選び、工夫しながら与えることで、腎臓病の犬の健康を守ることができます。

腎臓病の犬に与える肉の注意点
腎臓病の犬に肉を与える場合は、たんぱく質の量と質に特に注意する必要があります。通常、犬にとって肉は重要な栄養源ですが、腎臓病を患っている犬の場合、過剰なたんぱく質は腎臓に大きな負担をかけ、病気の進行を早める可能性があります。腎臓は、体内の老廃物を処理する役割を果たしており、たんぱく質が分解される際に発生する老廃物が過剰に蓄積すると、腎臓に負担がかかりやすくなります。
例えば、脂肪分が少なく、たんぱく質が控えめな肉を選ぶことが重要です。ささみや赤身肉は低脂肪で一般的には良い選択肢と思われがちですが、腎臓病の犬には逆にたんぱく質が多すぎる場合があります。代わりに、たんぱく質含有量が低い腎臓病用の療法食や特別に調整された肉を利用することが推奨されます。
また、肉を調理する際には、塩分や香辛料を使わないことが大切です。腎臓病の犬にはナトリウムを控える必要があり、加工肉や塩で味付けされたものは避けるべきです。無添加の新鮮な肉を選び、蒸したり茹でたりしてシンプルに調理することで、腎臓への負担を軽減できます。

マグロは犬の腎臓病に悪影響を与える?
マグロは高たんぱく質でオメガ3脂肪酸を含む栄養価の高い魚ですが、腎臓病の犬には注意が必要な食材です。まず、マグロはたんぱく質が多く含まれており、これが腎臓病の犬に負担をかける可能性があります。腎臓病の犬は、過剰なたんぱく質を処理する力が弱く、老廃物が体内に溜まりやすくなるため、たんぱく質の摂取量を厳密に管理することが重要です。
さらに、マグロには高濃度のリンが含まれています。腎臓の機能が低下している犬はリンの排出がうまくできないため、血中のリン濃度が上昇し、腎臓の負担が増してしまいます。このため、腎臓病の犬にとってはマグロは適さない食材となります。
また、マグロには微量ですが水銀が含まれることも知られており、長期間にわたって多量に摂取すると、腎臓だけでなく体全体に悪影響を及ぼす可能性があります。腎臓病の犬に魚を与える場合は、マグロではなく、低リンで低たんぱくな白身魚を選ぶのが安全な選択と言えるでしょう。
犬の腎臓病にうどんは適しているのか?
うどんは腎臓病の犬に適しているとは言えません。うどんは一見、低たんぱくで消化に良い食品と思われがちですが、腎臓病の犬にとっては注意が必要な点があります。まず、うどんには塩分が含まれていることが多く、腎臓病の犬にとっては塩分の摂取を控える必要があります。過剰な塩分は腎臓にさらなる負担をかけ、病状を悪化させる可能性があるため、避けるべきです。
さらに、うどんは炭水化物が主成分であり、栄養価としてはタンパク質やビタミン、ミネラルが不足しています。腎臓病の犬にはバランスの取れた栄養が求められるため、うどんだけを与えると栄養不足に陥る可能性が高いです。代わりに、腎臓病に対応した療法食や、塩分控えめの食事が推奨されます。
一方、消化の悪いものや脂肪分の多い食事を避けたいときには、一時的にうどんを少量与えることは許容範囲かもしれませんが、長期的な食事としては不適切です。必ず獣医師に相談しながら、適切な食事を提供するように心がけましょう。
腎臓病の犬が食べないときの対策
腎臓病の犬が食べなくなった場合、いくつかの対策を試みることで食欲を促進することができます。まず、食事の温度を調整することが効果的です。フードを少し温めることで香りが強くなり、食欲を刺激しやすくなります。また、ウェットフードに切り替えたり、水分を加えた食事にすることで食べやすさを向上させることも有効です。
それでも食べない場合、食事のトッピングとして低ナトリウムのささみや野菜のスープを少量追加することも考えられます。ただし、トッピングが過剰にならないよう注意が必要で、基本的には療法食をベースにすることが望ましいです。また、食欲不振が続く場合には、食欲増進剤や強制給餌(シリンジなどを使ってフードを口に入れる方法)も検討すべきです。
食べない状態が続くと体力が低下し、さらなる健康悪化につながるため、早めに獣医師の指導を仰ぎながら対応することが大切です。
腎臓病のステージに応じた犬の食事制限
腎臓病のステージごとの症状
腎臓病は進行度によってステージが分けられており、それぞれの段階で現れる症状が異なります。腎臓病の進行はゆっくり進むため、初期段階では飼い主が気づきにくいことが多いです。
ステージ1では、目立った症状はほとんど見られません。腎臓の機能が徐々に低下していても、血液検査では異常が見つからないことが多く、尿検査で初めて異常が確認されるケースがあります。この段階での発見は難しいですが、早期発見が重要です。
ステージ2に進むと、多飲多尿が見られるようになります。これは、腎臓の濾過機能が低下し、体が水分を排出しきれなくなるためです。飼い主は、犬がいつもより水を多く飲む、トイレの回数が増えるなどの変化に気づくことがあるでしょう。
ステージ3では、さらに症状が進行し、食欲不振や嘔吐、体重減少が見られることがあります。また、元気がなくなる、毛艶が悪くなるなど、見た目にも変化が表れることが多く、腎不全が進んでいることが考えられます。
最も重篤なステージ4になると、尿毒症の症状が強くなり、嘔吐、脱水、さらには昏睡状態に陥ることもあります。この段階では、積極的な治療がなければ命を維持することが難しくなります。
腎臓病の末期症状と食事の関係
腎臓病が末期に進行すると、犬の体は食べ物をうまく消化吸収できなくなり、食欲が極端に低下します。末期には、嘔吐や下痢が頻発し、食べても体内に栄養を取り込むことが困難になります。このため、適切な食事管理が極めて重要になります。
末期の腎臓病では、腎臓への負担を軽減するために、低たんぱく、低リン、低ナトリウムの食事が推奨されます。ただし、犬が何も食べなくなった場合は、療法食にこだわらず、食べられるものを与えることも考慮すべきです。たとえば、鶏のささみや低カリウムの野菜を茹でたものなど、犬が好きな食材を少量でも与えることで、栄養補給を試みます。
また、この段階では、強制給餌や流動食を利用することも検討されます。強制的に栄養を与える方法として、液体状の療法食や栄養サプリメントを使用することで、体力の維持を図ります。ただし、犬の体力や健康状態を見ながら、獣医師と相談しつつ対応することが大切です。
犬の腎臓病に最適な食材選び
腎臓病の犬には、腎臓に負担をかけないように食材を選ぶことが重要です。まず、低たんぱく質の食材が推奨されます。たんぱく質の分解過程で生成される老廃物が腎臓に負担をかけるため、過剰なたんぱく質の摂取は避けるべきです。具体的には、白身魚や鶏もも肉といった低たんぱく質で質の良い食材を選ぶと良いでしょう。
また、リンやナトリウムの含有量が少ない食材も適しています。リンは腎臓の機能が低下していると排出しにくく、血中のリン濃度が上昇するとさらに腎臓にダメージを与える可能性があります。野菜の中では、カリウムが多く含まれるものもあるため注意が必要です。例えば、さつまいもやかぼちゃなどはカリウムが高いので控えるか、茹でてカリウムを減らしてから与えると良いです。
最適な食材選びのポイントは、犬の状態に合わせて栄養バランスを考慮することです。特に腎臓病の進行具合により食材の選択は変わるため、獣医師と相談しながら適切な食事内容を決めることが重要です。
腎臓病の犬に良い食事とサプリメント
腎臓病の犬にとって、適切な食事は治療の柱の一つです。まず、療法食を導入することが一般的です。療法食は、低たんぱく質、低リン、低ナトリウムといった腎臓病に特化した栄養バランスが整っており、腎臓への負担を軽減するために設計されています。犬の好みに合わせてドライフードやウェットフードの選択も可能です。
また、サプリメントの活用も効果的です。例えば、リン吸着剤は食事中のリンの吸収を抑える働きがあり、腎臓への負担を軽減します。また、オメガ3脂肪酸を含むサプリメントは、腎臓の炎症を抑え、腎機能の維持に役立つとされています。さらに、ビタミンB群のサプリメントは、腎臓病によって失われやすい栄養素を補うために有効です。
ただし、サプリメントの使用にあたっては、獣医師の指導が不可欠です。過剰な摂取や誤った組み合わせが腎臓に負担をかける可能性があるため、適切な量やタイミングを見極めることが大切です。
腎臓病の犬に必要な水分管理
腎臓病の犬には、適切な水分管理が非常に重要です。腎臓の機能が低下すると、老廃物を排出する力が弱まるため、十分な水分を摂取することで尿の量を増やし、体内の老廃物を排出しやすくします。特に腎臓病の犬は多飲多尿の症状が見られやすいため、常に新鮮な水を用意しておくことが大切です。
水分管理では、単に水を与えるだけでなく、ドライフードからウェットフードに切り替えることも有効です。ウェットフードには水分が多く含まれており、自然に摂取する水分量が増えるため、脱水を防ぐのに役立ちます。さらに、犬が水をあまり飲まない場合は、スープ状の食事や、好みの食材を使った低塩分スープを加えるなどの工夫も有効です。
ただし、過剰な水分摂取は体に負担をかける場合もあるため、皮下輸液や静脈輸液を獣医師と相談しながら調整することも重要です。適切な水分管理は腎臓病の進行を遅らせ、犬の体調維持に大きな役割を果たします。

腎臓病の犬に適した食べ物と回復への影響
腎臓病の犬には、腎臓への負担を軽減するために、低たんぱく、低リン、低ナトリウムの食べ物を与えることが求められます。腎臓の機能が低下していると、たんぱく質の代謝によって生じる老廃物がうまく排出されず、腎臓にさらなる負担をかけるためです。そのため、食事の際には腎臓療法食を中心に与えることが推奨されています。
具体的には、白身魚や鶏もも肉などの低たんぱくな食材が適しており、これらを用いることで必要な栄養を摂りながらも腎臓に負担をかけにくい食事を提供できます。また、炭水化物としては白米やジャガイモがよい選択肢です。さらに、腎臓病の進行に伴うカリウム管理が必要な場合には、野菜を茹でてカリウム量を減らすことも有効です。
適切な食べ物を選ぶことで、腎臓病の進行を抑えるだけでなく、体力の維持やQOL(生活の質)の向上にもつながります。日常的な食事管理は、腎臓病の治療と回復において重要な要素となりますので、獣医師と相談しながら最適な食事を選びましょう。

犬の腎臓病になった際に食べてはいけないものについて総括
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